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ブログタイトルは決められなかったので、穂村弘さんのエッセイタイトルから。

漫画を読みまくる(雑な感想)

 

『かげきしょうじょ!!』が面白すぎる。

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かげきしょうじょ!!

紅華歌劇団音楽学校(どこにも明言はされてないけど、言わずもがな宝塚歌劇団がモデルでしょう)が舞台。
オスカル様に憧れるさらさ、元アイドルの奈良っちを中心に、同級生・先輩・後輩・講師陣との学生生活が描かれる。
その一方で、主人公であるさらさの幼い頃の話が展開される。
さらさは、幼い頃から歌舞伎に親しんでおり、舞踊を習い「歌舞伎(役者)になる!」と宣言していた。
もちろん、さらさは女であるため、その夢は諦めるほかなく「オスカル様になる!」に変容していくのだった。
さらに、登場人物一人ひとりの音楽学校に入るまでの来歴もかなりのボリュームで示される。主な登場人物の個性や考え方、好きな人についてもつまびらかになるため、誰を主人公として読んでも楽しめるようになっている。

男はタカラジェンヌにはなれず、女は歌舞伎役者にはなれない。
その不思議さと、息苦しさ。伝統を継承する重責と苦悩。
未来への一筋の光を追い求める姿の眩しさと、現実の厳しさに胸が詰まる。
少女漫画だけど、きっと男性も楽しめるはず。

 

しかし、これは本当にお願いなのだけど、
20巻くらいでどうにか完結して欲しい。
描こうと思ったら40巻でも50巻でもかけちゃう作品だと思う。
でも、そこを堪えて、本当に必要なものだけ書くと言う潔さを持って欲しい。
ぶっちゃけ、600円×10巻でも普通にキツいのよ。
鬼滅だって30巻以上あったらあんなに売れなかったと思うし、ワンピースが半分以上を無料で(期間限定)公開しているのもそういう理由じゃないかな。
これだけエンタメがあふれている世界で、継続的にお金を払ってもらうことの難しさよね。

 

『こっち向いてよ向井くん』も少女漫画だけど、男性に読んで欲しい。
モテなくない、顔も悪くない、性格も普通。35歳、男性。
そんな向井くんは、10年前に別れた元カノの言葉が忘れられない。

喜んでもらえると「ずっと守ってあげたい」と言った向井くん。
彼女の反応は「守るって一体何から? どうやって? 守るって何?」。

私が向井くんと同じような状態の中年男性だったら、ボディーブロー入りすぎて死んでた。
急激な価値観のアップデートに付いていけない男性は必読かと。

 

その他、香山哲『ベルリンうわの空』、増村十七『バクちゃん』、魚豊『チ。ー地球の運動についてー』、和山やま『女の国の星』、野田彩子『ダブル』、眉月じゅん『九龍ジェネリックロマンス』などは昨年に引き続き推していく所存です。

 

もっと他にも書きたいことあったんだけど、疲れてしまった……エネルギーが不足している。