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ブログタイトルは決められなかったので、穂村弘さんのエッセイタイトルから。

そして続く生活

一昨日のお墓参り、私と友人が帰りの電車に乗るまで天気が保ってくれた。さすが晴れ男。

 

腹ごなしにタイ料理を食べてから、各駅停車でゆっくり向かう。最寄駅のスーパーでお花と金麦を買う。

 

お墓へのシャトルバスの待ち時間に友人が「(故人)との繋がりを見つけちゃった」と言うので聞くと、彼が若者の支援活動をしながらバイトしていた運送業者の名入りトラックが止まっていたのだという。偶然にしてもできすぎていて嬉し怖い気分。

 

一緒に行った友人は、長年彼と仕事で付き合い、亡くなる前には私生活でもお付き合いしていたので、私の知らない彼をよく知っている。私は彼が活動の傍でバイトをしていたことすら知らなかった。

 

「上下紺色のユニフォームを着て、朝早くに出掛けてたよ」

彼と友人の生活が想像できて、嬉しかった。

 

お参り後は友人宅の近くのカフェで話題尽きず2時間以上ミニパフェで粘る。もうすっかり雨は本降り。バスで帰宅する。

 

夜、Cとスーパー銭湯にいき、はじめてアカスリをしてもらう。肌が明るくなって、体重も軽くなった気分。

 

 

土曜日はHさんとおでかけ。紀伊國屋書店に行ってお互い欲しい本を一冊ずつ購入。新大久保方面に歩き、推しの話しながらこの日の目的地であるクッパを食べる。染みる。

 

満腹状態で新大久保をぶらぶらしていたら、2人ともお昼寝がしたくなったので解散する。

 

帰りのバスで眠ったら頭が痛くなってしまい一回休み。

 

夜は幼馴染たちとのオンライン読書会の予定が延期になり、頭も痛いので推しのコンサートの映像をみて体も脳も溶ける夜。一応クイックルワイパーと掃除機はかける。えらい。

 

あけて今日は何もない休み。とことんまで休んで、仕事に備えよう。

突然再開

気づいたら2年が経っている。月日が経つのは恐ろしく早い。きっとこのまま、おばあちゃんになっているんだろう。歳をとることは怖くないが、大切な人を失うことはいつだって怖い。

 

今日は夏季休暇を使って、友人のお墓参りに行く。親族以外で初めて失った大切な人だ。

 

闘病中だと人伝に聞いてから、あっという間に旅だってしまった。若者たちの支援活動をしていて、最後まで子どもたちのことを考えていたという(その子どもたちに私も含まれていたと思う)。

 

はじめて出会ったときのこと、キャンプの買い出しで軽トラの助手席に乗せてもらったこと、プロレスをしたこと、しゃがれた大きな声。私の笑顔が「虹みたいだから」とみんなで「虹」を歌ってくれたこと、どれもひと昔以上前のことになるのにありありと思い出せる。

 

若い私たちを見守って、生かしてくれた人だった(適切な距離を保ってくれていたのも彼の素晴らしさ)。大人になってからは1年に数度会う程度だったので、どこかで生きているような気がいまだにしていて、お墓参りは不思議な気持ちになる。

 

今日は雨予報だけど、彼は天下の晴れ男だったので、今日も一瞬は晴れるかなとちょっとだけ期待している。

 

ちなみに仕事で年若い被告の裁判を傍聴すると、彼のような人との出会いが被告にあれば事件は起こらなかったかもしれないなと胸が詰まることがよくある。「未病」の考え方のように「未罪」があるとすれば、彼のような人こそ、罪の発生から人(被害者になり得る人、加害者になり得る人)を守ってくれているんじゃないかなどと考えている。

 

少しだけやり残した仕事があるので、終わらせて行こう。

漫画を読みまくる(雑な感想)

 

『かげきしょうじょ!!』が面白すぎる。

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かげきしょうじょ!!

紅華歌劇団音楽学校(どこにも明言はされてないけど、言わずもがな宝塚歌劇団がモデルでしょう)が舞台。
オスカル様に憧れるさらさ、元アイドルの奈良っちを中心に、同級生・先輩・後輩・講師陣との学生生活が描かれる。
その一方で、主人公であるさらさの幼い頃の話が展開される。
さらさは、幼い頃から歌舞伎に親しんでおり、舞踊を習い「歌舞伎(役者)になる!」と宣言していた。
もちろん、さらさは女であるため、その夢は諦めるほかなく「オスカル様になる!」に変容していくのだった。
さらに、登場人物一人ひとりの音楽学校に入るまでの来歴もかなりのボリュームで示される。主な登場人物の個性や考え方、好きな人についてもつまびらかになるため、誰を主人公として読んでも楽しめるようになっている。

男はタカラジェンヌにはなれず、女は歌舞伎役者にはなれない。
その不思議さと、息苦しさ。伝統を継承する重責と苦悩。
未来への一筋の光を追い求める姿の眩しさと、現実の厳しさに胸が詰まる。
少女漫画だけど、きっと男性も楽しめるはず。

 

しかし、これは本当にお願いなのだけど、
20巻くらいでどうにか完結して欲しい。
描こうと思ったら40巻でも50巻でもかけちゃう作品だと思う。
でも、そこを堪えて、本当に必要なものだけ書くと言う潔さを持って欲しい。
ぶっちゃけ、600円×10巻でも普通にキツいのよ。
鬼滅だって30巻以上あったらあんなに売れなかったと思うし、ワンピースが半分以上を無料で(期間限定)公開しているのもそういう理由じゃないかな。
これだけエンタメがあふれている世界で、継続的にお金を払ってもらうことの難しさよね。

 

『こっち向いてよ向井くん』も少女漫画だけど、男性に読んで欲しい。
モテなくない、顔も悪くない、性格も普通。35歳、男性。
そんな向井くんは、10年前に別れた元カノの言葉が忘れられない。

喜んでもらえると「ずっと守ってあげたい」と言った向井くん。
彼女の反応は「守るって一体何から? どうやって? 守るって何?」。

私が向井くんと同じような状態の中年男性だったら、ボディーブロー入りすぎて死んでた。
急激な価値観のアップデートに付いていけない男性は必読かと。

 

その他、香山哲『ベルリンうわの空』、増村十七『バクちゃん』、魚豊『チ。ー地球の運動についてー』、和山やま『女の国の星』、野田彩子『ダブル』、眉月じゅん『九龍ジェネリックロマンス』などは昨年に引き続き推していく所存です。

 

もっと他にも書きたいことあったんだけど、疲れてしまった……エネルギーが不足している。

 

生きるとはアップデートを繰り返すこと

3日は駅伝を見ながら、駒大の監督の「男だろ!」の掛け声に思わず「時代!!!」と叫ぶ。スポーツを見るのは好きだし(※とはいえオリンピックは即刻中止してお金をコロナへの対策に回すべきと思っている)、駒大の逆転劇にはしびれた。慕われるよい監督なのだと思う。しかし、あのシーン、性別は全く関係なかったよな。時は2021年である。男だからとか女だからとか、そういう呪いを人にかけるのはもう辞めよう。そもそも箱根駅伝が男しか出場できず、関東の大学しか出られぬ、そんな「ウーン」なところから、もう目が背けられなくなっている。

でも、「お!」もあった。スポンサーであるサッポロの「大人エレベーター」のCM。以前から男しか出ていないと悪評高かったが、ついに内田也哉子さんが登場した。サッポロよくやった!えらい!すごい!内田也哉子さんというキャスティングも見事。美しいお着物。喧嘩の必要性という切り口を彼女に語ってもらうというのも面白かった。良いCMだった。

 

 

4日は仕事始め。半休をもらって、朝の新幹線で帰る。富士山の雪が少ない。東京は人多い。一週間も頑張れるかな。

 

引き続いて『おくのほそ道』を読んでいる。

旅は平泉まで進み、わたしの好きな句「夏草や兵どもが夢の跡」が出てくる。その前に「国破れて山河あり、城春にして草青みたり」杜甫の詩が引かれているとはしらなかった。この詩も好きなのだけど、コロナ禍の今よむと背中にふと冷たさを感じる。

立石寺で歌われた「閑さや岩にしみ入る蝉の声」も好きだ。切り取られたような宗教的な「閑さ」とは別だと思うけど、自然の中に一人置かれたときの圧倒的な「閑さ」は身に覚えがある。風の音も蝉時雨もピタッとやんでしまって世界がたった一人のために存在するかのような時間。

「閑さや」は最初「さみしさや」だった、「しみ入る」は「しみつく」「しみこむ」とも悩んでいたと書かれていて驚く。俳句は数式なのかもしれない。

 

同じ失敗をするかもしれない将来の私へ。

スタバのチャイティーラテは、もうトールサイズは飲みきれないので注意すること。

 

健脚の芭蕉を思う炬燵かな

今日も猫とこたつで寝正月。生理的に必要が生じない限り(つまり食事とトイレにしか)起き上がらない私。おばたちには「こたつに住んでるみたい」と言われる。ステイホームの申し子と呼んで欲しい。どや。

 

とはいえ、父に「寒くないから」と誘われて一度は外に出た。神宮の様子を見て、空いてたらお詣りしようとの提案。しかし結局人手多めでお詣りは諦め、散歩に切り替える。

神宮に毎年出ていたテキ屋はどこへやら。寅さんも商売あがったりだろうなあと切なく思う。強かに生きぬいて欲しい。

1時間ほど散歩して、またこたつに潜る。

父の背中は年々祖父に似てきていると思う。

なお、歩く時に後ろ手を組むのは私にも遺伝している。

 

おばが録画してくれていたポルノグラフィティの東京ドームライブのwowow放送を見る。おばはポルノファンの私のために、何も言わずとも録画してくれるのだ。2019年のライブだけど、東京ドームにたっぷりの観客が入っているのを見て、遠く遠く感じてしまう。いつかまたこんな風にたくさんの人と音楽を楽しむことができるだろうか。

 

今日知ったこと。

助六寿司の名前の由来は、『助六由緣江戸桜』の揚巻。

義経が史実では出っ歯で猫背の小男。

 

今日読んでいるのは松尾芭蕉『おくのほそ道(全)』(角川ソフィア文庫)。おもれー。

 

あやめ草足に結ばん草鞋の緒

「あやめ」サトイモ科のショウブで、アヤメ科のアヤメ・ハナショウブとはまったくの別種である。(前述、p.88)

と書かれているが、ネットで調べると

本種は旧来の分類体系では「サトイモ科」とされてきましたが、近年のDNAを用いた研究の結果、サトイモ科の他の植物とはかなり異なることが分かり、新しい分類体系(APG分類体系)では「ショウブ科」として独立した科とされています。(重井薬用植物園ーーhttps://www.shigei.or.jp/herbgarden/album/syoubu/album_syoubu.html

となっている。

今日はもう調べる気力が…ない…というか指が疲れた…ので…後日で。

 

みさぶらひ御笠と申せ宮城野の木の下露は雨にまされり(『古今和歌集』東歌)

「みさぶらひ」=御侍なのだけど、「みさぶらひみかさ」とひらがなで読むと「あぶらかたぶら」とか「Ob-La-Di, Ob-La-Da」を思い出した。

2021年のお正月

あけましておめでとうございます。

 

Twitterでは文字数やあれやこれやで書けないものを、雑に書き殴るメモ的なものを開設しました。新年だし、noteは色々あれなのでこちらに。

 

タイトルは今読んでいる、穂村弘さんの『もしもし、運命の人ですか。』内のエッセイタイトルより拝借しました。恋愛における男性の自意識が描かれており、切実なのに滑稽で、それでいて身に覚えがあったりすることも書いてあって、声出して笑う。最高の読書はじめ。

 

映画はじめは、男はつらいよ「相合傘」。リリーさんに舞台をプレゼントしたいと語る寅さんのシーンは何度見てもぐっとくる。メロン騒動もおかしい。そして、ラストの「リリーは頭がよくて気性の強いしっかりした女だから〜」のシーン、渥美さんのななめ後ろ姿が最高。もう何度目だろうか。昨年は寅さんもあまり見られなかったので、今年はちゃんと見る。じっちやんの名にかけて!()Netflixありがとう。

 

〈クリニックを大手IT企業の社長と妻が訪れた。休診日の診察室で待っていたのは、院長と中国人男性。「本当に安全なんですか」。初対面のあいさつもそぞろに、妻が不安そうに2人に尋ねた。背を向けたまま机上のパソコンのキーボードをたたき何も語らない院長に代わり、中国人男性がうなずきながらほほえんだ。〉

(水面下で出回る中国ワクチン 富裕層から永田町へ? 狙われる日本市場 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20201231/k00/00m/040/137000c

 

小説みがある。最近村田沙耶香さんの作品を読んだから、そう思うのかもしれない。富裕層に広がる不審死とか、ゴーヤを食べないと湿疹が出る体になるとか、なんだって想像は広がる。

この人たちの、未承認のワクチンにでも縋りたいほどの気持ちの根底を知りたい。金持ちの考えることはようわからん。

 

 

悩んだけど、結局じいちゃんに会いに来た。会食&すきやきがないなど、いつもと違うところはあり寂しい。新幹線も空いていた(これは快適)。

猫はダイエットに成功していた(1匹のみ)。

お墓参りに行く。雑草を抜いて、ネイルがハゲる。みぞれが降る。

ほぼコタツと一体化する寝正月。

 

丑年。

川原泉さんの『大地の貴族』が大好きで、牛と言えば、バース。

白泉社 on Twitter: "#川原泉_本日のお言葉 7月6日 バースはへんな顔をしている 体に斑(まだら)模様を付けずに生まれた ので外見は真っ白だったが 性格までそーだとは限らない 《「大地の貴族」より》★「ワタシの川原泉」特設サイト公開中★ http://t.co/hBuRp11NUK"

今年も川原泉作品のように、穏やかに楽しくのほほんと笑って変な擬音たっぷり、人様にも自分にも優しく暮らせますように。

みんなが幸せに生きられる一年になりますように。

無病息災。